今回は、「遠近両用メガネの特徴と失敗しない作成時の注意点とは?」と言う内容でお送りします。
遠近両用メガネの特徴を理解していただき、ご自身の用途に合った遠近両用メガネの作成が行えれば幸いです。
遠近両用メガネの仕組みってどうなっているんですか?

遠近両用メガネは、レンズの上部で遠くを、下部で近くを見るための仕組みが一体になっているのが最大の特徴です。レンズの中間に、遠方から近方へ視線をスムーズに移行させるための「中間部」が設定されており、1枚のレンズでさまざまな距離にピントを合わせることができます。これにより、メガネをかけ替えずに、遠くの景色から手元の文字まで見ることが可能になります。
遠くも近くも、若い時と同じように快適に使えるって本当ですか?

遠近両用メガネと言うと、遠くも近くも若い時と同じように快適に使えると思われている方が多いと思いますが、これは違います。
遠近両用メガネは非常に便利なアイテムですが、単焦点レンズとは異なる視野の特性を持っています。レンズの境目がない代わりに、レンズの周辺部には「ゆがみ」や「ボケ」が生じる部分があります。そのため、若い頃のような広い視野がすべてクリアに見えるわけではなく、特に視線を左右に動かした際には、少しの違和感やゆがみを感じることがあります。この特性を理解し、慣れることが大切です。
遠近両用メガネの視野は、単焦点レンズと何が違いますか?

遠近両用メガネの視野は、遠方・中間・近方の3つの領域に分かれています。単焦点レンズが1つの距離に特化して広い視野を持つ一方で、遠近両用メガネは、各領域の視野が単焦点レンズに比べて狭くなります。
特に、中間距離や近方を見るための視野は限定的であるため、手元の作業をする際は、視線を少し下に向けるなどの工夫が必要です。また、レンズの下部に向かうほど度数が変わるため、階段を降りる際などに足元がゆがんで見えたり、ふらつきを感じたりすることがあります。
遠近両用メガネを作成する際の重要な注意点は何ですか?

遠近両用メガネを作成する際には、いくつかの重要な注意点があります。まず第一に、メガネ店でしっかりと時間をかけて視力測定を行うことが欠かせません。遠方・近方それぞれの度数だけでなく、両方のバランスを考慮した度数決定が非常に大切です。
また、レンズの設計や種類を選ぶ際には、自分のライフスタイルに合わせて選ぶことが重要です。デスクワークが多い方には中間視野が広いタイプを、運転が多い方には遠方視野が広いタイプを選ぶなど、用途に応じた選択をすることで、満足度が大きく向上します。
遠近両用メガネの種類と選び方のポイントを教えてください?

遠近両用メガネには、主に「累進レンズ」と「二重焦点レンズ」の2種類があります。現在主流の累進レンズは、遠方・中間・近方がなめらかにつながっており、見た目も普通のメガネと変わりません。
選び方のポイントは、自分のライフスタイルを具体的に伝え、用途に合ったレンズの「設計」を選ぶことです。レンズには、視野の広いタイプ、ゆがみが少ないタイプなど、さまざまな設計があります。専門店で専門家と相談し、最も適したレンズを見つけることが、快適な視生活への第一歩となります。
遠近両用メガネに慣れるためのコツはありますか?

遠近両用メガネは、最初はどうしても慣れが必要なアイテムです。特に、歩行時に足元がゆがんで見えることがありますので、初めは階段の昇り降りに注意してください。
慣れるためのコツは、装着後すぐに日常生活で積極的に使うことです。慣れるまでの期間は個人差がありますが、一般的には1〜2週間ほどでスムーズに使えるようになります。慣れないからといって使わない期間が続くと、なかなか慣れることが難しくなります。
まとめ
遠近両用メガネは、遠くから近くまでを一本でカバーできる非常に便利なツールですが、若い時の視界とは異なる特性があることを理解することが大切です。視野のゆがみや狭さといった特徴を正しく理解し、自分のライフスタイルに合ったレンズを選ぶこと、そして専門家としっかり相談することが、快適な視生活を送るための重要な注意点です。
よくある質問(Q&A)
Q:遠近両用メガネの費用はどのくらいかかりますか?
A: 価格はレンズの種類やフレームによって大きく異なります。幅広い価格帯がありますので、ご自身の予算や必要性に応じて選ぶことができます。
Q:遠近両用メガネに慣れない場合はどうすればいいですか?
A: 一時的な違和感であれば問題ありませんが、頭痛や吐き気など、強い不調が続く場合は、度数が合っていない可能性があります。眼科への受診とメガネの状態確認を行い正しい原因解決を行いましょう。
Q:パソコンやスマートフォンの画面を見るのにも使えますか?
A: はい、使えます。パソコンやスマートフォンの画面は中間〜近方で見ることが多いため、中間視野を広く設計したレンズを選ぶと、より快適に使うことができます。
Q:遠近両用コンタクトレンズとの違いは何ですか?
A: 遠近両用メガネは、視線の移動でピントを合わせるのに対し、遠近両用コンタクトレンズは瞳の動きに合わせてレンズが動くタイプや、同心円状の複数の度数が配置されているタイプなど、異なる仕組みで視界を確保しています。
Q:遠近両用メガネの寿命はどのくらいですか?
A: 目の状態は変化しますので、一般的には2〜3年を目安に視力測定を行い、レンズを交換することをおすすめします。適切なメンテナンスを行うことで、より長く快適に使うことができます。
院長より皆さまへ
遠近両用メガネと言うと遠くも近くも若い時と同じように快適に使えると思われている方が多いと思います。
ただ、使い方や患者さんにとっては、それほど、有用性は高くない場合もあります。
初めて遠近両用メガネを作成したい方は、その辺りを的確にアドバイスさせていただきますので、お気楽にご相談ください。