今回のテーマは、当院でも多くのご質問をいただく「老眼」についてご説明します。40代後半頃から近くのピントが合わなくなったり文字が読みづらくなったりと老眼の初期症状が見られるようになります。その「老眼」を遅らせるための日常生活での注意点などを含めご紹介します。
「老眼」とは、そもそもどうして進むのですか?

老眼は、老化の一環として誰にでも起こる自然な現象です。目のレンズの役割を果たす水晶体が硬くなったり、その厚さを変えてピントを調節する毛様体筋の働きが衰えたりすることが老眼の主な原因です。
これは加齢によるもので、完全に進行を止めることは難しいとされています。しかし、日々の生活習慣や目の使い方を意識的に変えることで、老眼の進行を遅らせ、症状を和らげる方法はたくさんあります。
老眼の進行を遅らせるトレーニング方法はありますか?

目のピント調節機能を維持するために、目の筋肉をほぐすトレーニングが有効です。
例えば、「遠近ストレッチ」という方法があります。
- 目の前から約30cm離れた指先にピントを合わせます。
- 数秒間見つめた後、視線を切り替えて遠くの景色(数メートル以上離れたもの)を数秒間見つめます。 これを数回繰り返すことで、ピントを調節する筋肉の柔軟性を保ち、老眼の進行を緩やかにする効果が期待できます。
食事で老眼の進行を遅らせることはできますか?

の健康をサポートする栄養素を積極的に摂ることも、老眼の進行を遅らせる一つの方法です。
目の疲労を和らげる効果があるとされるアントシアニン(ブルーベリーなど)や、網膜を保護する働きを持つルテイン(ほうれん草、ブロッコリーなど)、抗酸化作用があるビタミン類(ビタミンA、C、Eなど)を豊富に含む食品を日々の食事に取り入れることがおすすめです。
日常生活でできる老眼の進行を緩やかにする工夫はありますか?

日常生活の中に、老眼の進行を進まないようにするためのヒントはたくさんあります。
- 適切な休憩をとる
スマートフォンやパソコンを長時間使用する場合は、1時間に10分程度の休憩をとり、目を休ませることが大切です。 - 紫外線対策をする
紫外線は目の老化を早める原因の一つです。外出時にはUVカット機能付きのメガネやサングラスを着用して目を保護しましょう。 - 睡眠をしっかりとる
目の筋肉や神経は、睡眠中に回復します。質の高い睡眠を確保することは、目の健康を保つために非常に重要です。
さらに、目に違和感を感じた際は、すぐにレンズを外して眼科医に相談することが、目の健康を守る上で非常に重要です。
老眼の進行に気づいたら、まず何をすべきですか?

「文字が見えにくい」「手元がぼやける」といった老眼の症状に気づいたら、眼科を受診することが最も確実な方法です。
眼科医に相談することで、目の状態を正確に把握し、自分に合った老眼鏡や遠近両用コンタクトレンズの選択、または生活習慣のアドバイスを受けることができます。目に合わない既製品の老眼鏡を使い続けることは、かえって目に負担をかける可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
老眼は誰にでも訪れる自然な体の変化ですが、日々の生活で意識的にケアをすることで、その進行を緩やかにすることは可能です。
目の体操や食事、生活習慣を見直すことで、目の健康を保ち、老眼の症状にうまく付き合っていくことができます。何よりも、目の不調を感じたら専門家に相談し、自分に合った方法を見つけることが大切です。
よくある質問(Q&A)
Q:老眼は何歳から始まりますか?
A: 個人差はありますが、一般的に40歳前後から始まると言われています。ただし、目のピント調節機能の衰え自体は10代から始まっているとされています。
Q:スマホの見過ぎは老眼を早く進めますか?
A: スマートフォンの使い過ぎで、一時的にピント調節機能が低下する「スマホ老眼」と呼ばれる状態になることがあります。これは老眼とは異なり、目を休ませることで回復が期待できます。しかし、目の酷使は老眼の症状を強く感じる原因となるため、注意が必要です。
Q:市販の老眼鏡を使っても大丈夫ですか?
A: 市販の老眼鏡はあくまでも補助的なものです。左右の視力差や目的の距離に合わせて作られていないため、目に負担をかける可能性があります。眼科で一度、見てもらうことをおすすめします。
Q:目のサプリメントは老眼に効果がありますか?
A: サプリメントは、食事で不足しがちな栄養素を補うのに役立ちます。ルテインやアスタキサンチンなどの成分は、目の疲労を和らげる効果が期待できますが、老眼そのものが治るわけではありません。
Q:老眼でもコンタクトレンズは使えますか?
A: はい、使えます。最近では、遠近両用のコンタクトレンズも普及しています。ただし、目の状態によっては使用が難しい場合もあるため、眼科医に相談して自分に合ったレンズを選びましょう。
院長より皆さまへ
老眼が進まないようにと何か良い方法がないか?!と聞かれますが、残念ながらそのような処方薬はありません。人間の体は全ての機能が老化によって衰退していきます。もちろん、生活習慣や食事などである程度遅らせることは可能ですが、改善することはできません。
むしろ、あれこれと頑張ると目の場合、余計に疲れがひどくでたり、痛みの原因になってしまう場合もあります。適切なメガネを使用することが一番、重要となります。お気軽にご相談ください。