「メガネをかけると、かえって目が悪くなるのではないか?」このようにお考えの方は少なくありません。特に近視や老眼の方からは、そうした声を聞くことがあります。しかし、これは全くの誤解です。実際には、メガネを正しく使うことで、目の負担を減らし、快適な視生活を送ることが可能になります。今回は、メガネが視力を悪化させるという誤解を解き、メガネとの賢い付き合い方について詳しく解説いたします。
メガネをかけると本当に近視や老眼は悪化するの?

いいえ、そんなことは全くありません。メガネは、目の焦点を正しい位置に合わせるための「補正器具」であり、目の状態を悪化させることはありません。近視の方であれば、遠くがはっきり見えるように焦点を合わせ、老眼の方であれば、近くが見えやすいように焦点を合わせます。メガネをかけることで、無理なく物を見ることができるため、むしろ目の疲れを軽減し、視力の安定に繋がると考えられています。
なぜメガネを上手に使用している人は目が疲れにくいのですか?

目が疲れにくいと感じる方は、共通してメガネを上手に使用している傾向が見られます。これは、メガネが目のピント調節機能をサポートし、目に余計な負担がかからないようにしているためです。視力に合わないメガネを使用したり、メガネをかけずに無理に物を見ようとしたりすると、目の筋肉が過剰に働き、目が疲れてしまいます。適切な度数のメガネを使用することで、目はリラックスした状態で物を見ることができ、結果として疲れを感じにくくなります。
老眼がある中高年がメガネを使い分けるメリットは?

老眼のある中高年の方にとって、遠くを見る時と近くを見る時で数種類のメガネを使い分けることは、目を疲れさせないための最も効果的な方法の一つです。老眼は、目のピント調節機能が衰えることで起こるため、一つのメガネでは遠近両方の視界を完璧にカバーすることは難しい場合があります。
例えば、運転中は遠くがはっきり見えるメガネを、読書やスマートフォンの操作には近くがよく見えるメガネを使用するといった使い分けが理想的です。煩わしいと感じるかもしれませんが、この使い分けによって目の負担が大幅に軽減され、日常生活が格段に快適になります。常に適切なメガネを携帯し、必要に応じて使い分けることをお勧めします。
日常生活でメガネを上手に使うコツは?

日常生活でメガネを上手に使うコツは、自分の目の状態に合ったメガネを、適切な場面で着用することです。 具体的には、以下のような点が挙げられます。
- 定期的な視力検査
目の状態は変化しますので、年に一度は眼科で視力検査を受け、メガネの度数が合っているか確認しましょう。 - 用途に合わせた選択
パソコン作業用、読書用、運転用など、それぞれの用途に特化したメガネを用意することも、目の負担を減らす上で有効です。 - 無理をしない
「少しだけだから」と、度数の合わないメガネを使ったり、裸眼で無理に物を見ようとしないようにしましょう。 - 清潔に保つ
メガネのレンズが汚れていると、視界が悪くなり、目が疲れる原因になります。常に清潔な状態を保ちましょう。
メガネなしで無理に過ごすとどうなりますか?

メガネなしで無理に過ごすと、目に過度な負担がかかり、さまざまな不調を引き起こす可能性があります。特に、視力が低下しているにもかかわらずメガネをかけずにいると、物を見るために目が常にピントを合わせようと頑張り続けることになります。これにより、眼精疲労、肩こり、頭痛、めまいなどの症状が現れることがあります。また、集中力の低下やイライラの原因となることもあります。無理をせずに適切なメガネを使用することが、これらの不調を防ぎ、快適な生活を送るために非常に重要です。
まとめ
「メガネをかけると近視や老眼が悪化する」という考えは、全くの誤解です。メガネは目の機能を補い、負担を軽減するための大切なツールです。特に老眼のある方においては、用途に応じたメガネの使い分けが、目の疲れを防ぎ、快適な視生活を送るための鍵となります。定期的な視力検査と、ご自身の目に合ったメガネの適切な使用を心がけて、いつまでも健やかな目を保ちましょう。
よくある質問/Q&A
Q: 子供の近視もメガネで悪化しますか?
A: いいえ、子供の近視もメガネをかけることで悪化することはありません。むしろ、適切なメガネを使用することで、未発達な目の筋肉への負担を減らし、学業や日常生活における視覚的なストレスを軽減できます。成長期の子供の目は特に変化しやすいため、定期的な眼科受診と適切なメガネの調整が重要です。
Q: 老眼鏡はかけっぱなしでも大丈夫ですか?
A: 老眼鏡の種類によります。遠近両用メガネであればかけっぱなしでも問題ありませんが、単焦点の老眼鏡(近距離専用)をかけっぱなしにすると、遠くを見る際にぼやけてしまい、かえって目が疲れる原因となります。ご自身の生活スタイルや主な用途に合わせて、適切な老眼鏡を選ぶか、使い分けをお勧めします。
Q: メガネをかけると目が小さくなるって本当ですか?
A: メガネをかけることで、物理的に目が小さくなるということはありません。これは、近視のレンズが光を拡散させるため、メガネ越しに見る目が小さく見えるという視覚的な錯覚です。メガネを外せば、元の目の大きさに戻りますのでご安心ください。
Q: メガネ以外に視力矯正の方法はありますか?
A: はい、メガネ以外にもコンタクトレンズや、レーシックなどの屈折矯正手術といった視力矯正の方法があります。それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご自身の目の状態やライフスタイルに合わせて、眼科医と相談しながら最適な方法を選ぶことが大切です。
Q: 定期的な目の検査は必要ですか?
A: はい、定期的な目の検査は非常に重要です。視力は年齢とともに変化しますし、目の病気が隠れている可能性もあります。特にメガネやコンタクトレンズを使用している方は、半年に一度から年に一度は眼科を受診し、視力や目の健康状態を確認することをお勧めします。
院長より皆さまへ
近視にしろ老眼にしろメガネをかけると悪化すると思っている方が多いようです。
そんなことは、全くありません。患者さんを見ていると目が疲れにくい、あるいは、視力的な不具合が少ない人はメガネを上手に使用している方が多いように見られます。特に中高年で老眼のある方は、遠くや近くを見る時、数種類の眼鏡を使い分けることが目を疲れさせない一番の近道です。煩わしいかもしれませんが、常にメガネを携帯するようにしてもらえればと思います。私は、50を過ぎ大きい声では言えませんが、診察室という限られた環境の中でさえ3本のメガネを使い分けております。